中国の自動車業界

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Car and Car Dealer in China

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中国に外国の自動車メーカーが参入したのは1980年代前半だ。1983年にアメリカ,84年にドイツ,85年にフランスの自動車メーカーが相次いで中国メーカーと合弁会社を設立し,中国で自動車生産をスタートさせた。
1990年代になると外国の自動車メーカーによる中国進出は本格化し,ホンダも1998年に広州汽車との間で「広州ホンダ」を設立した。2000年代に入って先進諸国の主要自動車メーカーが出揃い,中国の自動車産業は一気にグロ-バル化した。
そんな中,トヨタは2000年に天津汽車との合弁で「天津トヨタ」を設立した。中国進出に出遅れた感のあったトヨタ。しかし2002年,トヨタは天津汽車が中国自動車メーカーの最大手である第一汽車に買収されたのを機に第一汽車と包括提携を結び,これに合わせて天津汽車も天津一汽トヨタに社名変更された。この提携によってトヨタの中国戦略は大きく前進し,流通面では2003年に第一汽車と合弁で一汽トヨタ自動車販売を設立し,本格的に流通システムの構築に乗り出した。中国におけるトヨタのチャネルはメーカーとしての天津一汽トヨタ,卸売業者として一汽トヨタ自販,小売業者としてのディーラーから構成されることになった。日本トヨタの場合,卸売機能が内部化されているが,中国トヨタでは外部化されている。
ホンダは日本の自動車メーカーのなかで先行して中国に進出し大きな成果をあげた。1998年に広州汽車と合弁で広州ホンダを設立,2003年には東風汽車と合弁で東風ホンダとホンダ汽車を設立した。同社はホンダの中国における輸出向け生産拠点であり2005年の夏から輸出がはじまっている。

中国における自動車業界の構造を非常に詳しく紹介した図書として『 転換期の中国自動車流通 ( 蒼蒼社 )』が挙げられる。以下に同書の目次を挙げておくので興味のある方は参照されたい。

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『 転換期の中国自動車流通 ( 蒼蒼社 )』 塩地洋・孫飛舟・西川純平 著
目次

序章 本書の課題

第Ⅰ部 先発メーカーの苦悩と改革――上海大衆汽車

第1章 製販分離体制の歪み

第1節 上海大衆の創設
1. 合弁契約締結の経緯
2. 上海大衆の設立
第2節 製販分離体制の形成
1. 上海汽車集団による販売網の構築
2. 製販分離体制の特徴――多種多段階
第3節 多種多段階経路の形成原因とその弊害
1. 多種多段階経路の形成原因
2. 多種多段階経路の弊害
おわりに

第2章 製販統合への試み

第1節 上汽大衆の設立
1. 上汽大衆の設立背景
2. 店舗設計の統一
3. 4S方式の導入
4. 経営組織の再編
第2節 販売体制とサービス体制の統合問題
1. 複雑な歴史的問題
2.「前店後場型」店舗への移行
3. 販売店の経営リスクの増加
第3節 上海大衆の地盤沈下と新たな取組み
1. 販売とサービスの拠点数の適正規模
2. 新たな経営改革への取組み
3. フォルクスワーゲン・ブランドの股裂問題
第4節 上海大衆の事例から得られる示唆
1. 旧来の「システム均衡」の崩壊
2. 3S店・4S店体制は新たな「システム均衡」をもたらすのか
第3節 多種多段階経路の形成原因とその弊害
1. 多種多段階経路の形成原因
2. 多種多段階経路の弊害
おわりに

第2章 製販統合への試み

第1節 上汽大衆の設立
1. 上汽大衆の設立背景
2. 店舗設計の統一
3. 4S方式の導入
4. 経営組織の再編
第2節 販売体制とサービス体制の統合問題
1. 複雑な歴史的問題
おわりに

第Ⅱ部 後発メーカーの優位性とシステムの移転 ――広州本田汽車の事例

第3章 後発メーカーの優位性について ――広州本田汽車の事例――

第1節 広州本田汽車の販売体制と競争優位
1. 本田技研工業の中国進出
2. 広州本田汽車の販売体制―フランチャイズ・システムの展開―
3. 4S方式のディーラー(4S店)と競争優位
第2節 広州本田汽車ディーラーのケーススタディ
1. 航天店の事例(2002 年度調査)
2. 日銀店の事例(2004 年度調査)
3. 立水橋店の事例(2005 年度調査)
4. 4S方式のディーラー(4S店)の課題 要約と展望
1. 広州本田汽車の販売体制が抱える課題
2. 中国自動車流通における「システム均衡」の崩壊

第4章 自動車フランチャイズ・システム

(流通システム)の海外移転論 はじめに
第1節 フランチャイズ・システムの海外移転について
1. 広州本田汽車によるフランチャイズ・システムの海外移転
2. 生産システムの海外移転との比較
3. フランチャイズ・システムの移転は現地(ローカル)指向
第2節 日本のディーラーの中国進出について 1. なぜ中国への進出を検討するのか
2. 日本のディーラーが持つ優位性
3. ディーラーによる海外進出の困難性
4. 海外進出の方法について
おわりに

第Ⅲ部 中国式オート・モール――汽車交易市場

第5章 汽車交易市場の歩み

第1節 汽車交易市場とは
1. 汽車交易市場の定義と特徴
2. 汽車交易市場の数と地域分布
第2節 汽車交易市場の発展プロセス
1. 第1段階―旧国営や民営の一般業販店の取
2. 第2段階―メーカー指定販売店の取り込み
3. 第3段階―3S店・4S店の取り込みと交易市場の大規模化
第3節 汽車交易市場をめぐる議論の激化
1. ブランド内競争の激化
2.「交易市場不要論」の噴出
3. ブランド内競争の発生原因
4. 消費者から見た汽車交易市場の存在意義
おわりに

第6章 汽車交易市場の優位性と問題点 ――アジア村交易市場の事例から―― 第1節 アジア村交易市場の概況

1. 規模と入居業者数
2. 入居する販売業者と来場する消費者の状況
第2節 アジア村交易市場の特色
1. 行政部門のバックアップ
2. アジア村交易市場のワンストップ・サービス
3. 情報発信機能の重視
4. アジア村交易市場の転居
第3節 汽車交易市場の乱立問題
1. 大規模汽車交易市場の乱立
2. 乱立の原因
第4節 汽車交易市場の発展方向に影響を与える他の要因
1. 海外におけるオート・モールの経験
2. 政府の自動車流通政策による影響
第5節 汽車交易市場から得られる示唆
1. モール型店舗集積の存立基盤
2. 中国の汽車交易市場が抱えている両面性
おわりに

第Ⅳ部 中古車流通の現状と今後の方向

第7章 二手車交易市場の特質と問題点

第1節 問題の所在
1. 中国の新中比率は何故低いのか
2. 需要側の要因
3. 供給側の要因
4. 流通政策・流通システムの要因
第2節 交易市場方式の特徴と問題点
1. 二手車交易市場とは
2. 二手車交易市場方式の特徴
3. 二手車交易市場方式の問題点

第8章 二手車流通管理弁法と今後の方向性

第1節 二手車流通管理弁法・二手車取引規範の成果と課題
1. 買取方式が実質的に認められる
2. 参入規制の撤廃
3. 売手責任の明確化
4. 名義変更時の現車持込による「車両検査」「査定」
第2節 今後の方向性
1. 個人間直接取引方式から分離方式への移行
2. 小売・卸売併合から小売機能の分化と競売機能の出現
3. 売手責任の明示化と情報の非対称性の縮小
4. 二手車交易市場公司の行政監督機能と民間営利事業への分離

附録1 自動車ブランド販売管理実施弁法(全訳)
附録2 中古車流通管理弁法(全訳)